評価校マニュアルについて

【全般】

Q.9
 『評価校マニュアル』の用語解説「査定(アセスメント)」には、その段階として「(c)科目レベル」の項目があり、「教員は、機関が定める学習成果に基づき、授業を通じて獲得できる学習成果を設定し、学生がそれを獲得したかどうかを査定する。」との説明があります。科目レベルの学習成果は「個々の教員が定める」というイメージがあるのですが、説明の中の「機関が定める」というのはどのような意味ですか。
A.9
 大学は、機関全体としてどのような学習成果を学生に求めるかを定める必要があります。各学部・研究科等はその学習成果を教育課程に反映させ、個々の授業にも組み込んでいくことになります。その際、教員がそれぞれ設定する学習成果にも機関としての共通の視点がなければ、学習成果の獲得は望めません。例えば、「学生の主体的学びの育成」という学習成果を定めた場合、各授業で学生の参画を促す学習方法を取り入れるかどうか、また、各授業における学生の態度も学習成果の一部とするかどうかなど、学部・研究科等全体さらには学部・研究科等間で検討する必要があります。
 このように、それぞれの授業、学部・研究科等の科目レベルでの責任をもった対応が総合され、機関が定める学習成果が獲得されるという仕組みが大切です。以上のような意味で、科目レベルにおいても、「機関が定める学習成果」としています。
Q.10
 平成29(2017)年度に認証評価を受けたため、次回は令和6(2024)年度までに評価を受けなければなりませんが、令和6(2024)年度に大幅な学部・研究科等の改組を行うことになっています。認証評価を受ける年度(実施年度)に学部・研究科等の改組を行う場合、自己点検・評価報告書に記載するのは旧学部・研究科と新学部・研究科のどちらになりますか。
A.10
 自己点検・評価は認証評価を受ける年度(実施年度)の前年度が中心になりますので、自己点検・評価報告書には旧学部・研究科等について記述してください。さらに、旧学部・研究科等の改組に至るまでの検討過程なども記述し、大学が把握している課題、改善状況・計画と学部・研究科等の改組との関係が明確になるよう取りまとめてください。
 また、基準Ⅲのテーマ「A人的資源」の記述が旧学部・研究科等を対象とするのに対し、基礎データ「様式11大学の概要」の「教員組織」欄は、認証評価を受ける年度の5月1日現在のデータで、改組後の新学部・研究科等に関するものとなりますのでご注意ください。
Q.11
 令和6(2024)年度に認証評価を受けますが、令和6(2024)年度入学者の募集停止を予定している学部・研究科等について、自己点検・評価報告書にはどの程度の記述が必要でしょうか。
A.11
 自己点検・評価は認証評価を受ける前年度の令和5(2023)年度が中心になりますので、令和6(2024)年度の入学者がなくても令和5(2023)年度までの入学者が在籍していれば、ほかの学部・研究科同様、自己点検・評価を行い、報告書に記載してください。
 なお、報告書の作成において、令和6(2024)年度入学者の募集を停止した学部・研究科等は、課題(大学評価基準のテーマごと)、改善状況・計画(基準ごと)の記述では「令和5(2023)年度在籍学生が貴学の定める学習成果を獲得し、卒業するまでの課題、改善状況・計画」という視点から記述してください。
Q.12  併設短期大学と共同で多くの活動・取組みを行っています。自己点検・評価報告書には、どのように記述すればいいですか。
A.12
 活動・取組みが併設短期大学と共同であることを明記してください。また、活動・取組みに関する具体的な記述は大学のものだけで結構ですが、活動・取組みの記述の中に併設短期大学も含まれるような場合は、その旨明記してください。
Q.13  自己点検・評価報告書の基準Ⅰ~Ⅳの記述について、分量としてどのくらいのページ数が必要でしょうか。
A.13
 様式5~8(基準Ⅰ~Ⅳ)の分量は80~120ページを目途としてください。(様式1~4はページ制限に含めません。)このページ設定は評価に当たって必要な分量として設けられていますので、評価に影響が出ないよう設定に従ってください。
なお、本協会に提出された報告書に、①記述の分量(内容)が不足している、②『評価校マニュアル』が指定する項目等の記載がないなどマニュアルに沿って作成されていない、といった不備等がみられた場合、報告書を修正の上、再提出していただくとともに、機関別評価結果にその旨記載いたしますので、報告書作成に当たっては十分ご留意ください。
 また、提出資料一覧(様式9)、備付資料一覧(様式10)、基礎データ(様式11~22)、法令遵守状況一覧(様式23)は、自己点検・評価報告書本文である様式1~8の通しページとは別に、様式それぞれの通しページを付し、様式1~8の巻末にまとめて提出してください。
Q.14  自己点検・評価報告書の年度表記は、和暦、西暦のどちらにすべきですか。
A.14
 和暦による表記を基本としますが、和暦の後に西暦を括弧書きで併記する形でも構いません(例:令和5(2023)年度)。また、平成 31 年度・令和元年度の表記は、自己点検・評価報告書では令和元年度で統一していただき、学内書類等、過年度に作成された資料名に「平成 31 年度」が含まれている場合などは修正(統一)する必要はありません。
Q.15
 協会へ提出する電子データのファイル形式が指定されていますが、ほかの形式での提出はできますか。
A.15
 電子データは評価員及び本協会で活用するため、指定のとおりご協力お願いします。なお、自己点検・評価報告書本文である様式1~8の電子データは、必ず全ての様式を1つのワードファイルにまとめたものを提出するようお願いします。
Q.16
 自己点検・評価報告書の製本形式に指定はありますか。
A.16
 自己点検・評価報告書の製本形式は加除式(バインダー形式)とし、本文と提出資料はそれぞれ別のバインダーに綴ってください。バインダーは「2穴のA4判縦型」(横型は不可)としていますが、バインダー自体の大きさや重さについては、特に提出資料の数・量が多い場合は分冊するなどし、評価員の取り扱いやすさなどに配慮してできるだけコンパクトにまとめるようお願いします。

評価校マニュアル【様式5~8 基準Ⅰ~Ⅳ】

Q.17  基準Ⅰのテーマ「C 内部質保証」の区分「基準Ⅰ-C-2-(3)」に「教育の向上・充実のためのPDCAサイクルを活用している」とありますが、この「PDCAサイクル」はどのようなものを指していますか。
A.17  学生に求められる学習成果の獲得状況の判定は、ある期間の教育実践の結果として得られた量的・質的データの分析・解釈を通して行われます。そして、その判定結果の適否の要因に立ち戻り、それらに関係する行為や動作を修正・調整し、学習成果の獲得に向けて改善・充実を図ります。これがフィードバックであり、PDCAサイクル(計画―実行―検証―改善循環)とは、このフィードバックにおいて用いられる手法です。フィードバックが繰り返される限り、PDCAという一連の行為は継続して行われることになります。
 例えば、「授業改善のPDCAサイクル」ならば、まず、改善すべき内容の目標を、人的・物的・財的資源配分を考慮しつつ設定し(P:計画)、次に、実際に授業を行い、学習の評価(成績評価)を出します(D:実行)。そして、その学習評価が、自らの目標として掲げた学習成果を達成しているかどうかを判定し、また、自分の授業の課題を発見・分析します(C:検証)。その後、FD(ファカルティ・ディベロップメント)を通して論じ合い、課題の解決策を見出します(A:改善)。この一連の行為がPDCAサイクルです。
Q.18  大学評価基準の「C 内部質保証」には「なお、自己点検・評価活動に加え、独自の外部評価や相互評価を行うことも有益である。」とあり、また、『評価校マニュアル』では、基準Ⅰのテーマ「C 内部質保証」の備付資料(「様式10 備付資料一覧」)として「認証評価以外の外部評価についての印刷物等」があげられています。
 外部評価及び相互評価は、認証評価においてどのように位置付けられているのでしょうか。また、相互評価は「認証評価以外の外部評価」の一つと考えてよいでしょうか。
A.18  外部評価は、評価主体が学外にある評価であり、二つの大学間で行う相互評価も、本協会が平成11年から進めてきた外部評価の一つです。これらは、大学の自己点検・評価活動に基づいた教育研究活動の見直しに加え、教育の質の向上・充実に資する取組みと考えています。
 これら認証評価以外の独自の外部評価等の取組みの内容は、大学評価基準の判定に直接影響するものではありませんが、外部評価等に取り組むことは有益であると考えています。
Q.19
 基準Ⅲのテーマ「D財的資源」の自己点検・評価を行う際、特に留意する点はありますか。
A.19
 財務に関する自己点検・評価については、大学評価基準が設定する観点のほかに、日本私立学校振興・共済事業団『私立学校運営の手引き』の経営判断に関する資料を参照して、同資料のどの区分に該当するかを記載するとともに、B1~D3に該当する学校法人は、経営改善計画を策定し、計画の概要を必ず自己点検・評価報告書に記述してください。改善計画書類は提出資料ではなく、備付資料とします。
 さらに、文部科学省高等教育局私学部参事官の指導を受けている場合は、その経過の概要を必ず報告書に記述してください。
 上記の留意点については、『評価校マニュアル』のテーマ「D財的資源」及び「書式1~4 計算書類等の概要(過去5年間)」の「記入上のお願い」にも記載していますのでご参照ください。

評価校マニュアル【様式11~20 基礎データ】

Q.20  教職課程の科目のみを担当する専任教員は、基礎データ「様式11 大学の概要」の「教員組織」欄にはどのように記述すればいいですか。
A.20
 特定の学部・学科等に所属せずに教職課程の科目のみを担当する専任教員については、「学部・学科等の名称」の欄に「その他の組織等(教職科目担当)」等のように記載し、該当する専任教員数を職名(教授、准教授等)ごとに記入してください。詳しくは「様式11大学の概要」の[注]をご参照ください。
Q.21  認証評価の申請後、評価が開始される直前に専任教員の突然の退職があり、直ちにその後任について公募などを行っていますが、大学設置基準上の専任教員数を満たしていない場合、基準Ⅲテーマ「A「人的資源」の区分「基準Ⅲ-A-1教育課程編成・実施の方針に基づいて教員組織を整備している」はどのように記述すればいいですか。
A.21
 基礎データ「様式11 大学の概要」の「教員組織」欄は、認証評価を受ける年度の5月1日現在で記入し、認証評価の実施年度の専任教員数が大学設置基準に照らして不足するに至った事情やその補充計画などについて<テーマ 基準Ⅲ-A 人的資源の特記事項>に記述してください。
 なお、認証評価を受ける際の自己点検・評価では、大学設置基準の定量的規定について未充足の事項がないかどうか、必ず精査を行ってください。

 

評価校マニュアル【様式9 提出資料一覧・様式10 備付資料一覧】

Q.22  「様式9 提出資料一覧・様式10 備付資料一覧」において、特に指定のない提出資料・備付資料は何年度のものを準備すればいいですか。
A.22  特に指定がない場合、自己点検・評価を行う年度(令和6(2024)年度に認証評価を受ける場合は令和5(2023)年度)の資料を準備してください。
 なお、認証評価を受ける年度(実施年度)に学部・研究科等の改組等による大幅な変更を行った場合、認証評価を受ける当該年度のものも備付資料として準備してください(令和6(2024)年度に認証評価を受ける場合は令和5(2023)年度及び令和6(2024)のもの)。
Q.23  備付資料として必要な種類・範囲を教えてください。また、訪問調査の際には何部準備するのですか。
A.23
 備付資料は「様式10 備付資料一覧」指定のものが基本ですが、自己点検・評価報告書の記述内容の根拠となる書類やデータなどで、様式10 指定以外の資料がある場合は、それらの資料名を様式10に記載の上、指定の備付資料とともに訪問調査時に準備してください。
 備付資料は「評価員会議室」(評価チーム専用の作業室)に各1部準備してください。また、評価員及び本協会に提出した提出資料と同じもの一式を併せて準備してください。
 なお、評価チーム責任者から自己点検・評価報告書の記述内容の確認等のため備付資料指定以外の追加書類や資料の要望があった場合、チーム責任者と相談の上、適宜ご対応ください。
Q.24  併設短期大学と共同で作成した自己点検・評価報告書は、「様式10 備付資料一覧」の基準ⅠテーマC指定の「過去5年間に行った自己点検・評価に係る報告書等」に含めることはできますか。また、自己点検・評価活動の一環として作成された資料等であれば、タイトルは「自己点検・評価報告書」以外でもいいですか。
A.24  「過去5年間に行った自己点検・評価に係る報告書等」の形態としては併設短期大学との合本であっても、大学の自己点検・評価であることが分かれば問題ありません。また、自己点検・評価等に係る規程に基づく点検・評価の資料等であれば、タイトルは「自己点検・評価報告書」以外でも結構です。なお、資料は製本されていないもの(ウェブサイトでの公表等)でも構いません。(備付資料については、上記「A.22」をご参照ください。)
Q.25  「様式10 備付資料一覧」の基準ⅡテーマB指定の「進路一覧表等(過去3年間)」は学生名等を記載した進路先一覧表のようなものを指すのですか。
A.25
 「進路一覧表等」では、学生個人が特定できるような一覧表は想定していません。学生の進路先や就職先が確認できる根拠資料としてのデータや表を準備してください。
Q.26  「様式10 備付資料一覧」の基準ⅢのテーマA指定の「専任教員の個人調書:教育研究業績書」に記述した著書、論文等の実物は備付資料として準備しておくべきですか。
A.26  実物を準備する必要はありません。また、教員個人の業績調書は、基礎データ「様式11 大学の概要」の「教員組織」欄(認証評価を受ける年度の5月1日現在)に記述した専任教員について作成してください。

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