大学評価基準
大学評価基準の趣旨
大学が行う自己点検・評価は、大学の社会的使命や独自性を認識し、各大学が自らの教育研究活動の継続的な質の保証を図るために積極的に取り組むべきものであり、ひいては、大学全体、高等教育全体の質の向上と同時に多様性を確保するための礎となるものです。大学は、学生や地域・社会の幅広いニーズに応え、地域文化を継承していく存在であり、多様性が乏しくなっていくことは、活力を失うことと同義だと考えます。大学が、地域・社会に必要な存在としてより一層向上・充実していくためには、日常の教育研究活動や業務に自己点検・評価の視点を取り入れ、自主的な改革・改善に取り組んでいくことが肝要です。
大学による自己点検・評価は認証評価の基礎であり、その促進は認証評価機関の責任の一部です。大学評価基準は、大学の改革・改善への刺激あるいは支援となることを企図して策定されています。
大学評価基準の構造
大学評価基準は大きく四つの基準から構成されています。
大学の教育の成果を把握した上で、改めてその責任と役割を確認し内部質保証に取り組み(基準Ⅰ ミッションと教育の効果)、その達成のために提供される教育や支援の状況を明らかにして(基準Ⅱ 教育課程と学生支援)、その教育研究活動や大学組織を支える資源を把握し(基準Ⅲ 教育資源と財的資源)、全体を統制する仕組みを評価・点検する(基準Ⅳ 大学運営とガバナンス)ようになっており、大学が自ら全体を見渡して、体系的な自己点検・評価ができるように配慮しています。
4基準(Ⅰ~Ⅳ)の下には必要に応じてテーマ(A~D)を置き、さらにそれらのテーマにおいて自己点検・評価の主眼となる事柄を区分(1~6)として表しています。4基準の大きなくくりの下で、大学は関連ある事柄を有機的に自己点検・評価して記述するとともに、自らの状況や特徴を提示することが求められます。
大学評価基準の構成
基準 | テーマ | 区分 |
---|---|---|
基準Ⅰ ミッションと教育の効果 | A ミッション | 1 ミッションを確立している。 |
B 教育の効果 | 1 教育目的・目標を確立している。 | |
2 学習成果を定めている。 | ||
3 卒業認定・学位授与の方針、教育課程編成・実施の方針、入学者受入れの方針(三つの方針)を一体的に策定し、公表している。 | ||
C 社会貢献 | 高等教育機関として地域・社会に貢献している。 | |
D 内部質保証 | 1 自己点検・評価活動等の実施体制を確立し、内部質保証に取り組んでいる。 | |
2 教育の質を保証している。 | ||
基準Ⅱ 教育課程と学生支援 | A 教育課程 | 1 卒業認定・学位授与の方針に従って、単位授与、卒業認定や学位授与を適切に行っている。 |
2 教育課程編成・実施の方針に従って、教育課程を編成している。 | ||
3 教育課程は、大学設置基準にのっとり、幅広く深い教養及び総合的な判断力を培うよう編成している。 | ||
B 学習成果 | 1 授与する学位分野ごとの学習成果は明確である。 | |
2 学習成果の獲得状況を適切に評価している。 | ||
3 学習成果の獲得状況を量的・質的データを用いて測定する仕組みをもっている。 | ||
4 学習成果の獲得状況の公表に努めている。 | ||
C 入学者選抜 | 1 入学者選抜は、公正かつ妥当な方法により、適切な体制を整えて実施している。 | |
2 入学者選抜に関する情報を適切に提供している。 | ||
D 学生支援 | 1 学習成果の獲得に向けて学習支援を組織的に行っている。 | |
2 学習成果の獲得に向けて学生の生活支援を組織的に行っている。 | ||
3 進路支援を組織的に行っている。 | ||
基準Ⅲ 教育資源と財的資源 | A 人的資源 | 1 教育課程編成・実施の方針に基づき教員を配置している。 |
2 教員は、教育課程編成・実施の方針に基づき教育研究活動を行っている。 | ||
3 学習成果の獲得が向上するよう事務職員等を配置している。 | ||
4 学習成果の獲得に向けて、教職員の役割や責任を規定している。 | ||
5 教職員等の資質、教育能力、専門的能力等が向上するよう組織的な研修を実施している。 | ||
6 労働関係法令を遵守し、人事・労務管理を適切に行っている。 | ||
B 物的資源 | 1 教育課程編成・実施の方針に基づき校地、校舎、施設設備、その他の物的資源を整備、活用している。 | |
2 施設設備の維持管理を適切に行っている。 | ||
C 技術的資源をはじめとするその他の教育資源 | 1 教育課程編成・実施の方針に基づき学習成果を獲得させるために技術的資源を整備し、有効に活用している。 | |
D 財的資源 | 1 財的資源を適切に管理している。 | |
2 財的資源の実態を把握し、財政上の安定を確保するよう計画を策定し、管理している。 | ||
基準Ⅳ 大学運営とガバナンス | A 大学設置法人の意思決定 | 1 法令等に基づき大学設置法人の管理運営体制が確立している。 |
B 教学運営 | 1 学習成果を獲得させるために、教学マネジメントの確立に努めている。 | |
C ガバナンス | 1 監事は法令等に基づき適切に業務を行っている。 | |
2 評議員会等は法令等に基づき開催され、諮問機関等として適切に運営している。 | ||
3 会計監査人は法令等に基づき適切に業務を行っている。 | ||
D 情報公表 | 1 大学は、高い公共性と社会的責任を有しており、積極的に情報を公表・公開して説明責任を果たしている。 |
(大学認証評価関係様式は、こちらをご覧ください。)
評価システムの改善
本協会の評価システムについては、不断に見直し・改善を図ることとし、その結果、評価システム等を定め・変更する場合は、案を公表し、広く社会から意見を求め検討を行い、結果を各大学関係者に連絡するとともに、インターネット(ウェブサイト)の利用等広く社会に公表します。