短期大学評価基準について

Q.3  第3評価期間(平成30(2018)年度~)の開始時に短期大学評価基準が改定されましたが、主な改定内容を教えてください。
A.3  学校教育法等の改正を踏まえて、①三つの方針の策定及びその一貫性・整合性、②内部質保証の重点化、③高等学校等の関係者からの意見聴取、という3点を短期大学評価基準の中に設定しました。
①については、「基準Ⅰ 建学の精神と教育の効果」のテーマ「B 教育の効果」に、新たな区分「基準Ⅰ-B-3  卒業認定・学位授与の方針、教育課程編成・実施の方針、入学者受入れの方針(三つの方針)を一体的に策定し、公表している」を設けました。
  ②については、「基準Ⅰ 建学の精神と教育の効果」のテーマCを、自己点検・評価活動に基づいた教育研究活動の不断の見直しを中心に据えた「内部質保証」に改め、重点評価項目としました。
  また、③の関係者からの意見聴取も、自己点検・評価活動の一つとして「内部質保証」と関連付け、テーマ「C 内部質保証」の区分「基準Ⅰ-C-1 自己点検・評価活動等の実施体制を確立し、内部質保証に取り組んでいる」の観点に加えました。
  さらに、短期大学が自己点検・評価に基づいて自主的・自律的に改革・改善を日常的に図るという「内部質保証」をより一層機能させるため、認証評価において「内部質保証ルーブリック」を評価校、評価員双方に活用していただくこととしています。
Q.4  自己点検・評価において「内部質保証ルーブリック」はどのように活用するのですか。
A.4  「内部質保証ルーブリック」(「ルーブリック」)は、基準Ⅰのテーマ・区分・観点を、「各評価項目」と「その達成度を示すレベル(1~4)」からなるマトリックスで示したものです。評価校は認証評価を受ける際、内部質保証の取組状況について、「ルーブリック」を用いて自己評価を行ってください。(「ルーブリック」自体の提出は不要です。)
  自己評価においては、提出する自己点検・評価報告書を基に該当する項目の到達度(レベル)を判定していきますが、例えば、項目2のLevel 1「□ 学習成果(Student Learning Outcomes)を定めている」については、「学習成果を○○○○○と定めている」等の具体的な記述が報告書にあってはじめてチェックボックスにチェックが入ります。チェック後は、この自己評価により内部質保証の取組状況を再認識するとともに、より高いレベルを目指した取組みに活用してください。
また、報告書の作成に当たっては、「ルーブリック」の各評価項目の到達度が高くなるよう、学習成果を焦点に据えた向上・充実のための査定が機能し、教育の質保証が図られているかどうかを念頭におき、記述してください。
  なお、「ルーブリック」の取扱い等に関する資料を本協会ウェブサイト(「認証評価関係様式」)に掲載していますので参考にしてください。
Q.5  「学習成果の可視化」とは、具体的にどのようなものを指していますか。
A.5  学習成果とは、学生が獲得すべきこと(何ができるようになるか)を定義し学内外に表明したものであり、実際に学生が一定の学習期間終了時に成果として身に付けたもの(データ)として測定可能でなければなりません。そして、測定可能になった学習成果を短期大学自身の基準によって判定することが査定(アセスメント)という行為であり、この査定の中で、学習成果が獲得されたこと、あるいは向上していることを測定結果として示すことが「学習成果の可視化」ということになります。
学習成果の可視化の方法、現状等について、短期大学評価基準では「基準Ⅱ 教育課程と学生支援」のテーマ「A教育課程」の区分「基準Ⅱ-A-7 学習成果の獲得状況を量的・質的データを用いて測定する仕組みをもっている」において点検・評価します。
量的データとは定量的なデータ、つまり数値データであり、例えば単位の認定状況(学期・学年ごとの成績評価)や2(又は3)年間の学習成果に基づく学位授与と卒業認定状況等をいいます。(GPA分布、単位取得率、学位取得率、資格試験や国家試験の合格率、ルーブリック分布等。)
また、質的データとは定性的データであり、短期大学が定義し学内外に表明した学習成果の事柄についての学生自身や第三者による主観的な意見等(数値化できないもの)であり、学生調査や学生による自己評価、同窓生・雇用者への聞き取り調査での意見等をいいます。(学生の業績の集積(ポートフォリオ)、在学生の授業アンケートでの意見や卒業生又は卒業生の進路・就職先の人事関係者による評価(意見)等。)
また、定義した学習成果が人間形成に関わる汎用的能力の涵養を表明した場合、その評価の方法には、プレゼンテーションやディスカッションによる口頭発表や実技等の評価も含まれます。さらに、学期を経て学生が「成長した度合い」について統計データを用いて測るような評価、例えば、本協会が実施している「短期大学生調査(Tandaiseichosa)」の分析結果から得られる情報も、学習成果の評価として有効な方法と考えます。
Q.6  第2評価期間に設けられていた選択的評価基準は、第3評価期間では、区分の「基準Ⅰ-A-2」(地域貢献)、「基準II-A-3」(教養教育)及び「基準II-A-4」(職業教育)として、それぞれ短期大学評価基準に組み入れられました。
その中で、区分の「基準II-A-3」及び「基準II-A-4」には「教養教育/職業教育の効果を測定・評価し、改善に取り組んでいる」との観点があり、備付資料として「幅広く深い教養を培う教養教育の成果に関する資料」、「職業又は実際生活に必要な能力を育成する職業教育の成果に関する資料」(『評価校マニュアル』51ページ)を準備することとなっています。
教養教育、職業教育はどのように測定・評価し、それぞれの成果についてどのような備付資料を準備することが想定されているのでしょうか。
A.6

 

 「教養教育/職業教育の効果の測定・評価」の実施プロセスは、短期大学が自ら設定する学習成果(一定の学習期間終了時に、身に付けている知識・技能・能力・理解・態度・信念・意見・価値・コミュニケーション能力等)に関する査定のプロセスと同じと考えます。
したがって、教養教育、職業教育に関する学習成果について「教育課程レベル」、「科目レベル」での獲得状況を定期的(授業回、学期、学年進行)に査定し、課題の発見、改善というPDCAサイクルを実践して、その中で活用している量的・質的データ等を資料として準備してください。(量的・質的データについては上記「A.5」及び区分「基準Ⅱ-A-7」の例示及びを参照してください。)
また、専門分野への就職率は職業教育の効果を測定・評価する方法の一つですが、就職先からの評価なども含めた測定・評価が必要と考えます。
Q.7  短期大学評価基準の基準Ⅱには「卒業認定・学位授与の方針が、社会的・国際的に通用性が保証されるものであることを明確に示す」とありますが、具体的にどの程度の内容があれば「国際的に通用するもの」と考えることができますか。
A.7  各短期大学が自らの建学の精神、教育理念・目標に基づき、学習成果及び卒業認定・学位授与の方針を明確に表明し、またその方針の下、学生が獲得すべき学習成果をどのように具現化し、かつ査定しているのか、という教育研究活動を具体的に示すことが、社会的・国際的な通用性につながると考えます。各短期大学が自らの教育について客観的に見直し、それを公表していくことが大切です。
Q.8  学習成果の汎用的な能力に関する客観的なスケール(尺度)は示し難く、また、その結果の妥当性、客観性を証明できるツール(測定方法等)の開発も大変難しいと思われます。認証評価において、このツールは未熟で不十分なため「否」とする、といった判断がなされることはありますか。
A.8
 認証評価において重要なのは、学習成果を明確化し、その獲得に向けて測定方法を開発し、測定結果の評価に基づく改善を行うこと、つまり、PDCAを含んだ内部質保証が機能しているかどうかであり、更なる向上・充実のための助言を行うことはあっても、測定方法それ自体の「良し悪し」の評価だけで合否判定を行うということはありません。
Q.9  中央教育審議会の答申(平成20年12月24日)「学士課程教育の構築に向けて」には「学習成果」とありますが、平成24年8月28日答申「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて」においては「学修成果」が用いられています。自己点検・評価に当たって表記の統一・使い分けなどが必要ですか。
A.9
 第2評価期間に向けた短期大学評価基準の改定(平成22年7月)に当たって、平成20年12月の中教審答申の内容を踏まえるとともに、当時、米国において行われていた“Student Learning Outcomes”を中心とした大学評価という考えも取り入れ、その和訳としての「学習成果」を評価基準において用いることとしました。
短期大学評価基準における「学習成果」の表記は、各短期大学が学内の自己点検・評価等において「学修成果」を用いることを制限するものではありませんが、認証評価時に提出する自己点検・評価報告書において短期大学評価基準の「区分」や「観点」を示す場合には「学習成果」を使用してください。

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